投資家は2022年を迎えるに当たり、新型コロナウイルスの予測不能な大流行、実施が近いとみられる利上げという二つのリスクによって、楽観論を後退させている。ワクチン接種や景気刺激策が投資家の熱狂ムードを高めた1年前とは対照的だ。昨年末には投資家の気分を盛り立てる材料がいくつもあった。大方の予想を上回る景気回復に支えられ、S&P500種指数は21年に27%高と、過去20年で3番目の上昇率を記録。米原油相場は55%上昇し、1バレル=約75ドルに達した。この1年は経営破綻する企業が少なく、想定されるデフォルト(債務不履行)リスクが限定的だったことを受け、社債利回りは過去最低圏で推移した。2021年に先立ちウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が実施したエコノミスト調査では、同年の米経済成長率は3.7%と予想されていた。実際には5%を超えた可能性がある。一方、失業率はエコノミスト予想を大幅に下回った。