コロナで国閉ざす日本、よみがえる「鎖国」の歴史Photo:Pool/gettyimages

【東京】インドの主要都市コルカタで暮らす医師志望のジアル・バクシュさん(28)は眠れない日々を送っている。11日に届いたニュースが不安を和らげてくれることもなさそうだ。

 日本政府は新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の流行を受けて、外国人の新規入国を原則禁止する措置を少なくとも2月末まで延長すると発表した。

 バクシュさんは当初、2021年3月から慶応大学で医学を学ぶ予定だった。日本政府は昨年11月初旬、数カ月にわたり延期していた外国人留学生の新規入国を認める方針を発表。ところが、オミクロン株の出現を受け、同月30日には一転して規制をさらに強化した。

 眼科医を目指すバクシュさんは「ここでただ待つしかない状況だ」と話す。自身も含め同じ境遇にある学生らはソーシャルメディアで「日本について不満をぶちまけている」という。

 だが、日本の有権者は岸田文雄首相の厳格な水際対策を歓迎している。日本を訪れる外国人に対する国民の不安を映し出しており、数世紀前の日本の歴史を想起させる反応だ。