中国ロックダウンで混乱、世界供給網に再び打撃Photo:Future Publishing/gettyimages

【香港】中国全土で新型コロナウイルス感染が広がっていることを受け、主要メーカーの工場閉鎖や港湾施設での滞留、労働者の不足といった問題が相次いでいる。当局がこの2年近くでは見られなかった大掛かりなロックダウン(都市封鎖)や大量検査を導入しているためだ。

 こうした中、世界第二位の経済規模を誇る中国で混乱が続けば、世界経済への影響は避けられないとの懸念が高まっている。半導体メーカーの韓国サムスン電子や独自動車メーカー大手フォルクス・ワーゲン(VW)、スポーツ用品大手の米ナイキや独アディダスを顧客に抱える繊維企業ではすでに生産に支障が生じている。

 東部の港湾都市、天津や中部の西安、南部のテクノロジー拠点・深圳といった複数の都市では12月下旬以降、厳しいコロナ対策が導入された。コンテナ取扱量で世界第三位の寧波・舟山港では、周辺地域で二十数件の新規感染が確認されたことを受けて、トラック輸送や倉庫作業に制限が課されており、目詰まりがさらに悪化する恐れがある。