人口2600万人の南太平洋の国、オーストラリアは、中国による同地域への進出に備え、ここ数カ月で目まぐるしい防衛外交を展開した。その直近の例が、日本との間で新たに締結した、豪軍と日本の自衛隊が両国周辺で互いに作戦を実施しやすくする「円滑化協定(RAA)」だ。この新協定は、互いの部隊が相手国を訪問して協力活動を行う際の法的条件を定めている。日本は米国以外の国と軍事面で緊密に連携することに消極的だったことを踏まえると、注目に値する。RAAにより、豪軍は日本の領域へのアクセスが拡大し、紛争が生じている東シナ海や南シナ海の海域を含め、北太平洋で共同作戦が実施しやすくなる。また自衛隊は、インド洋や南太平洋で豪軍と演習ができるようになる。