男子テニスのノバク・ジョコビッチ選手(34)は16日夜、オーストラリアのメルボルンからドバイへ向かう便に搭乗した。彼のプロテニスプレーヤーとしての約20年間で最も奇異なものとなった大会出場のための旅は、ここで終わった。だがこの10日間で、ワクチン未接種がジョコビッチのキャリアとレガシーに及ぼす代償はさらに大きくなり、メジャー大会の生涯獲得タイトル数で史上最多を狙う自身の努力を台無しにしかねないということが明らかになった。ジョコビッチは、飛行機で地球を半周してやってきたが、一試合も出られなかった。旅行者にワクチン接種を義務付けるオーストラリアの規則を自身は免除されるものだと信じていたことが原因だ。免除されるどころか、査証(ビザ)を取り消した国境警備局に一晩中事情聴取をされ、政府の隔離収容施設に移送されてほぼ一週間を過ごし、同国での滞在を求めて、弁護士を通して2度異議申し立てをすることになった。