ボリス・ジョンソン英首相は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う2020年のロックダウン(都市封鎖)の期間中にパーティーに参加していたというスキャンダルを受けて、政治生命の危機に直面している。ジョンソン首相の抱える問題が、それだけならまだ良かった。「パーティー・ゲート」がこれほどの打撃をもたらしたのは、有権者がすでにエネルギーコストの上昇をめぐる首相の対応に憤慨していたところに、このスキャンダルのニュースが飛び込んできたからだった。英政府の推計によれば、2021年の世帯当たりのエネルギー料金負担は、電気とガスを合わせて前年比6%増の1339ポンド(約21万円)に達した。この数字は、一部の家庭でのもっと大幅な負担増を覆い隠しているかもしれない。昨年8月以降、25社ほどのエネルギー供給会社が破綻したことで、何千もの企業と200万前後の世帯(全世帯の8%に相当)が、新たな供給会社との契約を強いられており、その際に以前より高い料金を受け入れた可能性がある。
【社説】ジョンソン英首相のもう一つの大失敗
グリーンエネルギー重視が保守党への打撃に
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