カスタマー(顧客、利用者、患者など)によるハラスメントは解決が難しいものです。暴言や暴力、悪質なクレームなどのほか、男性顧客から女性担当者へのセクハラも。相手が客だと思うと強く出られず、泣き寝入りするケースも少なくありません。こうした場合、企業はどう対応すべきでしょうか。クレーム対策のプロが教える「チェンジワード」について解説します。(エンゴシステム代表取締役 援川 聡)
カスハラの加害者は顧客、
企業も強く出られなくなりがち
人の心を傷つけるハラスメント。ハラスメント対策に乗り出す企業も増えていますが、定義や基準の曖昧さもあってマニュアル作成に難航しているケースが多いようです。特に、カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)は、加害者側が利用者や顧客という立場なので、社内で起こるパワハラやセクハラとはまた違う難しさがあります。
「女じゃ話にならない!男(上司)を出せ!」
ジェンダーフリーが世界的なトレンドになる今でも、このような時代錯誤もはなはだしいクレームがなくならないのが実情です。「昔はこれくらいOKだったのに」というジェネレーションギャップから起きるセクハラ問題もなかなか減りません。
“女性というだけで、クレーム対応でなめられてしまう”
“男の上司が出てきたら、クレーマーが手の平を返したように態度を軟化させた"
“あることないこと、私の悪口を並べて帰っていった”
女性活躍社会の掛け声の裏側で、こうした、やるせない女性担当者の悩みが現場には渦巻いているのです。