東証1部上場企業で、機械メーカーやソフトウエア開発会社などに向けて、各種操作マニュアルや運用マニュアルなどの作成支援を行うグレイステクノロジーで、とんだ粉飾決算が発覚し、上場廃止の危機に追い込まれている。その内幕を明らかにする。(東京経済東京支社長 井出豪彦)

滝川クリステルのCMで知られる企業が
粉飾決算で上場廃止の危機

「滝川クリステルのCM」で知られる企業が、粉飾決算で上場廃止の危機!グレイステクノロジー本社オフィスはコロナ対策を理由に閉鎖されていた(1月20日午前、東京経済撮影)

 グレイステクノロジー(東京都港区)といえば、一時、滝川クリステル氏を起用したテレビCMが流れていたことを記憶している人もいるかもしれない。機械メーカーやソフトウエア開発会社などを顧客に、各種操作マニュアル、運用マニュアルなどの作成支援を行う東証1部上場企業であるが、とんだ粉飾決算が発覚し、上場廃止の危機に追い込まれている。

 上場廃止か維持か、今月27日に結論が出る見通しだが、本社オフィスはコロナ対策を理由に閉鎖(冒頭写真)されており、取引先の不安は募っている。

 グレイステクノロジーは昨年11月、外部からの指摘で不正会計の疑いが浮上したとして、昨年4~9月期決算の発表を延期した。

 併せて外部の弁護士や会計士を委員とする「特別調査委員会」を設置したが、その時点のリリースでは、不正会計は2017年3月期から行われていた可能性があるとの認識だった。21年8月には有望株として東証と日経新聞が共同で算出する「JPX日経中小型株指数」の構成銘柄に選ばれたばかりだったが、当然株価は急落した。