薄毛、白髪、フケ、かゆみ…。髪の悩みは、ときに人生を変えてしまいます。誰かに相談するのも勇気がいり、巷にたくさんある育毛法は、どれが効果的なのかわからない…となりがちです。『髪が増える術 成功率95%のプロが教えるすごいメソッド』(ダイヤモンド社刊)では、これまで5千人の髪や頭皮の状態を改善してきた髪のプロが、「カラダの内側から髪を元気にする」メソッドをすべて紹介しています。本記事では、著者である辻敦哉氏に髪にまつわる噂について聞きました。
「薄毛が心配な人」が知っておくべき
たった1つのこと
――そもそも、辻さんはなぜ『髪が増える術』を書こうと思ったのでしょうか?
辻敦哉(以下、辻):育毛や発毛は、毛髪化学だけで解決しようとすると、最後には壁にぶち当たります。つまり、毛髪化学だけでは、解明されていないのです。
その解明されていない情報も、私達にとって重要なヒントであるのは確かですが、最終的に解明までの道筋がない毛髪化学を、一般の読者さんに向けた場合、難しいのに答えがない本になってしまいます。
そこで、毛髪化学だけでは解明できない壁を乗り越えるべく、カラダの内側や食事などの情報を上手に加え、難しいことを簡単に。簡単なことを面白くしたのが本書です。
――なるほど。これまで5千人以上の髪を増やしてきた辻さんだからこそ、いまある情報にその知見を加えた1冊なんですね。でも正直、どんな人でも髪は増えますか?
辻:別人の様に増えるとは言い切れませんが、現状よりも増える可能性は、どんな人にでもあります。
――本書にある「カラダの内側」から髪を増やすとは、簡単にいうとどんなことでしょうか?
辻:髪と爪は、中医学では血余と言って血の余りと考えられており、化学では細胞の死骸と考えられています。なので、どちらも切っても痛くない。いわゆる神経が通っていないわけです。
髪への栄養は、血液によって運ばれますが、心臓から離れれば離れるほど血管は細くなり、もみあげよりも上は、ほぼ毛細血管です。天頂部は心臓から最も離れていますよね。
たとえば、ミノキシジルといった髪を増やす効果があると言われる医薬品の成分も耳にした方も多いと思われますが、ミノキシジルは細くなった血管を拡張する薬です。その血管拡張の薬が育毛の一手で使われているわけですから、いかに血を毛根へ届けるのかが大切なのかは、お分かりいただけると思います。
しかし、そこまで血液を運ぶためには、血の質。血の量。血の流れが大きくかかわります。それら「カラダの内側」をよりよくして、根本的に髪が増える体質にする、ということです。
――カラダの内側からよくするのは時間がかかりそうですが、簡単に髪が増える方法はないのでしょうか?
辻:とても簡単に髪が増える人もいますし、時間がかかる人もいます。
分かりやすくご説明すると、育毛成功のためのピースが何個足りていないのか? という視点で考えてみてください。
簡単に髪が増える人は、自分に足りないピースが1,2個の人で、足りないピースが分かり対策した人です。たとえば、ミネラルの不足と、体温の低さが薄毛の原因だった人が、そのピースの対策をすれば、髪は簡単に増えます。
しかし、自分に足りないピースが7個で、その7個が何かを知らない人は、時間もかかります。
本書は、経済的に優しく、カラダにも優しい育毛方法を厳選し、数ある育毛方法の中で、まずは一番先に試していただきたい方法ばかりをご紹介しています。自分に足りないピースを探し、前向きな気持ちでできる事から、始めていただければと思います。
1979年、埼玉県浦和市生まれ。埼玉県理容美容専門学校卒業、東京文化美容専門学校卒業、ロンドンTONI&GUYアカデミー修了。2006年リヴォーン株式会社入社。シブヤ西武「THE REV-OWN」店長、営業推進部長を務め、ヘッドスパのゴッドハンドとして業界を賑わす。その後独立し、2011年にヘッドスパ専門店「PULA(プーラ)」をオープン。あっという間に半年以上予約がとれないほどに。著書に『世界一簡単な髪が増える方法』(アスコム)があり、累計12万部を超え海外でも出版。現在は、プーラ式ヘッドスパ専門として全国展開しており、4号店目となる兵庫県神戸市のヘッドスパ専門店ムーラ・アダーラproduced by PULAのオーナー永峰麻里も、書籍の監修依頼があるなど、実力者を集め、地域に根差したヘッドスパ専門店をプロデュースしている。(https://www.hyogo-headspa-pbp.com/)
本記事の医事監修:泉さくら(いずみ・さくら)日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。