欧州で冬場のエネルギー危機を回避できるとの期待が高まっている。ロシアがウクライナ侵攻への準備を進めているとみられる中で、欧州が深刻なガス不足に陥れば、ウラジーミル・プーチン大統領に優位に働くとの懸念も一部では出ていた。だが、液化天然ガス(LNG)の記録的な流入に加え、例年より温暖かつ風の強い天候により、危機的な水準まで落ち込んでいる貯蔵ガスの取り崩しペースがここにきて落ちている。ウクライナ経由でロシア産ガスの供給が増えていることも追い風だ。しかしながら、供給ひっ迫は続いており、ガス・インフラストラクチャー・ヨーロッパのデータによると、欧州ガス貯蔵能力の38%にとどまる。だが、昨冬と比較した不足分は縮小しており、価格も最高値から押し戻されている。
欧州エネ危機和らぐ、米国産ガスや天候が味方に
米国産ガスの流入や温暖な気候、ロシア産ガスの供給増が追い風に
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