「波乱相場の今が買い時かもしれない」と優待おじさん・桐谷さんも狙う米国の高配当株。買ってから配当を受け取るまでの期間はどれくらい?<br />桐谷広人さん(写真・山本祐之)

年初から波乱相場が続く米国株。「いまが買い時かもしれない」と“優待おじさん”こと桐谷さんも注目している。「高利回り株」が大好きな桐谷さんが最初に買った米国株も、もちろん高配当株だった。ところで、米国の配当金は権利確定後、どれくらいで受け取れる? 配当金受取りまでの実際のスケジュールを見てよう!

振込みは日本株より早く、権利確定日から数日~約1カ月後!

 米国株の配当は、その銘柄を売買した証券会社の口座に米ドルで振り込まれます。ただ、そのために米ドル専用の口座を新たに作る必要はありません(証券会社によっては、外貨受け取りに手続きが必要な場合も)。

 配当が振り込まれるまでの期間は銘柄によって異なります。

 アップルの例では、2021年8月6日(金)が権利付き最終日(注2)だった配当の現地支払いが、8月12日(木)。それが日本の証券口座に振込まれたのが8月16日(月)でした。次の11月5日(金)が権利付き最終日だった配当の現地支払いは11月11日(木)で、証券口座への振込みは11月16日(火)でした。権利落ち日から1週間ちょっとで日本の口座に振り込まれています。

 一方で、マイクロソフトは、2021年11月17日(水)が権利付き最終日だった配当の現地支払いが12月9日(木)。日本の証券口座への振込みは12月15日(水)だったので、権利付き最終日から約1カ月かかる銘柄も。

 ただ、日本企業の配当振込みは権利確定日から2~3カ月かかるので、それと比べると米国株は短い銘柄が多いのです。

(注1)「権利確定日」とは、この日に株主になっていれば配当を受取る権利が確定するという日。(注2)「権利付き最終日」は、権利確定日の2営業日前で、その日までに買わないと権利確定日に株主名簿に載らないという日。

証券口座に米ドルで振込まれ、円安時に引出せば儲かる!

 そして、証券口座に入金されるのは、現地と日本の税金が差引かれた後の金額になります。

 そのまま次の米国株を買う資金にしてもいいですし、日本円に両替したい場合は、手続きをします。

 振り込まれた時よりも円安ドル高になっていればその分儲かります。反対に円高ドル安になっていればその分損してしまうので、タイミングを見計らって日本円に両替しましょう。

 図版は2021年2月に権利確定したマイクロソフトの配当受け取りまでのスケジュールです。参考に。

「波乱相場の今が買い時かもしれない」と優待おじさん・桐谷さんも狙う米国の高配当株。買ってから配当を受け取るまでの期間はどれくらい?<br />※上記のスケジュールは2021年の実績の場合
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桐谷広人(きりたに・ひろと)

1949年10月15日、広島県竹原市生まれ。365日株主優待と配当で生計を立てる投資家。プロ棋士七段。バブル絶頂期の1984年に株を始め、バブル崩壊やITバブル、リーマンショックなど相場の浮き沈みを経験。資産は4億円目前。近著に『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの米国株入門』『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの株入門』の2冊が好評発売中。