「月曜から夜ふかし」でおなじみの優待おじさん・桐谷さんは、少額からだが、昨年から米国株にも投資を始めた。まずは、日本株と同じく高配当株に興味津々で、日々勉強中だ。でも、英語が苦手な桐谷さん。米国株のデータはどこでチェックできる? 日米ともに波乱相場だが、高配当株は下落時が買いチャンス。桐谷さんと米国の優良高配当株を探してみよう。
米国株の銘柄情報は日本語だけで大丈夫!
最初は、米国株を始めてみたいけど、英語はできないしなあ…と思って二の足を踏んでいたんです。でも、いまやネット証券では日本語による米国株の銘柄情報が充実しています。日本のヤフーファイナンスでも日本語で企業の特色から業績まで確認できることを知って驚きました。
今回は、米国の高配当株で買っていい銘柄か見極めるための5つのポイントを押さえましょう。
【ポイント①】売上高や利益が順調に伸びているか
⇒株主への配当は会社の利益から支払われます。だから、当然のことですが、業績が好調であることが高配当を継続する条件になります。日本株と同じで、いくら高利回りでも、業績悪化で株価が大きく下落している銘柄を買うのは危険です。業績が悪化している銘柄は、将来配当が減ってしまうリスクがあるからです。売上高や各利益が伸びているかをチェックしましょう。
【ポイント②】高配当株が今後も安定的に続くか
⇒借金が少なく無理して配当を出していないことも重要なポイント。借金が多い会社は景気悪化時などに配当が維持できなかったり、倒産のリスクがあるので注意しましょう。借金が多すぎないかをチェックするのに役立つのが「自己資本比率」。自己資本÷総資産で算出します。もう一つ、利益に対して配当を出しすぎていないかをみるには、「配当性向」をチェックします。配当性向は「1株当たりの配当÷1株当たりの当期利益」で算出。80%など高すぎると、些細な減益で配当を減らすリスクが高くなります。
ヤフーファイナンスでほとんどの数値が調べられる!
【ポイント③】長期で増配が続いているか
⇒米国株では連続増配年数もチェックしましょう。連続増配年数が長いほど増配は止められなくなります。ヤフーファイナンスのスマホアプリでは10期分の配当がチェックできます。毎期順調に配当が増えていれば合格! 一時的に増配をストップしていても長期で増配傾向ならOKです。
【ポイント④】株価が安定しているか
⇒配当株を長期で保有して、安定的に配当を受け取りたいなら、株価の安定度もチェック。あまり値動きが激しいと精神的に疲れてしまいます。過去の大幅下落時などに、市場平均と比べて大きく下落していないかなどを確認しましょう。
【ポイント⑤】利益や資産と比べて株価が割安か
⇒最後に、米国株に限ったことではありませんが、一般的に株価の“割安度”を判断する目安になるPER(ぴー・いー・あーる)とPBR(ぴー・びー・あーる)の2つの指標もチェック。PERは株価を1株あたりの利益で割って算出。株価が会社の収益力(利益)の何倍と評価されているかがわかります。数値が高いほど割高、低いほど割安です。PBRは、株価を1株あたり純資産で割って算出。株価が純資産の何倍まで評価されているのかがわかります。これも低いほど割安です。
ポイント③の「連続増配」以外は、日本株と同じなんですね。自己資本比率やPER、PBRなどもヤフーファイナンスでチェックできます。気になる銘柄があったら確認してみましょう。
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桐谷広人(きりたに・ひろと)
1949年10月15日、広島県竹原市生まれ。365日株主優待と配当で生計を立てる投資家。プロ棋士七段。バブル絶頂期の1984年に株を始め、バブル崩壊やITバブル、リーマンショックなど相場の浮き沈みを経験。資産は4億円目前。近著に『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの米国株入門』『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの株入門』の2冊が好評発売中。