年4回や毎月配当がもらえるってスゴイ!「月曜から夜ふかし」の桐谷さんが気になる4つのタイプの米国の高配当株とその代表銘柄桐谷広人さん(写真・山本祐之)

「ダウの犬投資法」を皮切りに、米国の高配当株に注目している優待オジサンこと桐谷さん。米国では年4回配当の銘柄が多く、中には年6回、年12回(毎月!)も。70歳を越え、配当収入と優待を生活基盤にしたい桐谷さんにはぴったりだ。米国の高配当株で注目の4つのタイプとその代表的な銘柄を紹介しよう。

日本でも王道の投資先、安定高配当や連続増配に注目!

タイプ①:安定して高配当の株

 日本の高配当株も同じですが、配当が減少すると株価も下がる傾向があります。長期で安心して保有して配当を受け取りたいなら、景気の影響を受けにくい業種で、減配リスクが低いものがいい。日本では高配当だけでも評価されますが、米国では大型の安定配当株も年率3~5%程度で増配を続けている銘柄が多く魅力的です。

>>たとえば…ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]
予想配当利回り:4.80% 配当回数:年4回(権利落ち:4月・7月・10月・1月)

 米国の通信大手で安定的な収益が見込める業種。さらに、5Gで先行し、通信料収入が増加する見込み。配当利回りは4%以上と高いうえに、2023年にかけて年率2~3%の増配を見込んでいる。バフェットも2020年に購入した銘柄。

タイプ②:配当が大きく増える株

 米国には配当を年々増やす銘柄が多い。60年連続で増配し続けるコカ・コーラに代表されるように、25年連続増配の大型優良株が60銘柄以上も! たとえ今の配当利回りが2%台程度でも、保有し続けていれば、配当利回りは3~5年で3%台に近づきます。

>>たとえば…ゼネラル・ダイナミクス[GD]
予想配当利回り:2.39% 配当回数:年4回(権利落ち:4月・7月・10月・1月)

 潜水艦や戦車などの防衛事業が売上の8割で、残りはビジネスジェットなど航空宇宙事業だ。過去10年は年率2ケタの増配ペース。今後数年はペースが落ちる見込みだが、それでも7~9%の増配率を見込んでおり高水準。

バフェットが保有の高配当株や毎月配当のリートも

タイプ③:ウォーレン・バフェットが保有する高配当株

 株式投資で資産を2.7万倍にまで増やした伝説の投資家ウォーレン・バフェットさん。私・桐谷もあこがれる投資家です。バフェットさんの動向は今も注目の的。最近買った株に注目してみましょう。

>>たとえば…アッヴィ[ABBV]
予想配当利回り:3.79% 配当回数:年4回(権利落ち:4月・7月・10月・1月)

 伝説の投資家、バフェットが2020年にまとめ買いしたのが、製薬株だ。その一つがバイオ製薬大手のアッヴィ。売上げの4割を占める、世界売上高トップの関節リウマチ薬「ヒュミラ」は特許切れだが、その穴埋めで新薬の開発が進む。

タイプ④:賃料収入を毎月配当するリート

 米国株には毎月配当を出す銘柄があり、それは賃料収入が毎月入るリートがほとんど。人口が増加する米国では不動産市場も活況。配当金を家賃を含めた生活費に使いたい私にとっては、ありがたい銘柄です。

>>たとえば…リアルティ・インカム[O]
予想配当利回り:4.07% 配当回数:年12回(権利落ち:毎月)

 百円ショップなどEコマースの影響を受けない小売店などの商業用不動産に投資するリート。毎月配当で、さらに毎四半期増配を続けている。ホームページのトップ画面には増配連続期数や配当利回りなどを表示してアピールしている。

※株価および配当利回りのデータは22年2月3日時点。予想配当はアナリストのコンセンサス。データ出所=QUICK・ファクトセット

桐谷広人(きりたに・ひろと)
1949年10月15日、広島県竹原市生まれ。365日株主優待と配当で生計を立てる投資家。プロ棋士七段。バブル絶頂期の1984年に株を始め、バブル崩壊やITバブル、リーマンショックなど相場の浮き沈みを経験。資産は4億円目前。近著に『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの米国株入門』『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの株入門』の2冊が好評発売中。