いくら言葉を知っていても、そのシーンに最適な言葉を選び出して発言するセンスがなければ、はっきり言って宝の持ち腐れ。言葉の専門家、山口謠司氏の新著『品がいい人は、言葉の選び方がうまい』からの抜粋で、状況に合わせた言葉の使い分けを解説していく。
「どの言葉を選ぶか」で、
あなたの評価は決まる
言葉には不思議な力があると感じています。
「今日も思いきり頑張るぞ!」と大きな声を出して起き上がるだけで、身体も心も元気になると言われたりもします。ボクサーがパンチを打ち込むときに、「シュッ」と掛け声を出すことで、実際にパンチの威力が高まるといった研究もあるそうです。
日本には古来「言霊」という概念が存在しました。言葉には不思議な力や魂が宿り、発言した内容が現実のものになるという信仰です。
これはあながち迷信ではなく、ボクサーの掛け声のように、「言葉の力」で現実が変わることも充分ありえると筆者は考えています。
そうしたことがひとつひとつ積み重なって、言葉はやがて人生を切り拓き、社会を変革していく大きな力になります。