過激派組織「イスラム国(IS)」はかつてシリア北部の都市ラッカを、自称「カリフ制国家」の「首都」と位置づけていた。ISはイラクとシリアにまたがる支配地域を奪われた後、3年の間に再集結し、ここ数週間は攻勢に転じ始めていた。米軍の急襲を受け、アブイブラヒム・ハシミ最高指導者が3日死亡したことで、IS復活のもくろみは打撃を受けている。米軍主導の有志連合によって2019年に権力の座から引きずり下ろされたジハーディスト(聖戦主義者)集団は、破壊的な攻撃を実行できる反体制地下組織へと姿を変えていた。米当局者によると、ISはシリアをはじめとする世界各地の拠点で、依然として数千万ドル規模の活動資金を持っているという。