マイクロソフトのフィル・スペンサー氏(54)が主導したゲーム開発大手アクティビジョン・ブリザードの買収は、総額750億ドル(約8兆6200億円)と同社最大規模のM&A(合併・買収)となった。この思い切った賭けは、時価総額世界一のソフトウエア会社で、ゲームを副業から中核事業に躍進させる可能性がある。マイクロソフトの生え抜きの社員で生粋のゲーマーでもあるスペンサー氏は、主に法人顧客に注力することで業績を回復した近年の同社内で、大掛かりなビデオゲーム戦略の設計責任者と伝道者の役割を担ってきた。同氏の計画は、20年にわたってゲーム機「Xbox(エックスボックス)」に重点を置いてきたマイクロソフトのビデオゲーム事業を、デバイスを問わずプレーできるゲームを開発する制作会社を結集する方向へとシフトさせた。同氏はまた、ゲームに関する自らの野望を、マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)がその広いビジョンの中核に据えるクラウドコンピューティングに直結させた。
マイクロソフトのゲーム事業、再興の長い闘い
8兆円規模のアクティビジョン買収 「立て役者」スペンサー氏が築き上げた集大成
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