北京オリンピックでの経験を
精神的な成長の糧にすべき

 北京オリンピックの韓国選手団は8日、スピードスケート・ショートトラック男子1000メートル準決勝で、不公正な判定により韓国選手が失格になったと激怒し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴することを明らかにした。また、ハンガリー代表チームも中国に有利な不公正判定に異議を提起した。

 韓国男子チームの看板選手である黄大憲(ファン・デホン)と李俊瑞(イ・ジュンソ)の二人がそろって男子1000メートル準決勝に進出したが、準決勝1組では黄大憲が1位でゴールしたものの失格となり、2、3位の任子威、李文竜(ともに中国)が決勝に進んだ。また、2組でも2位でゴールした李俊瑞が失格となり、韓国勢は決勝進出を逃した。

 ショートトラックの混合リレー2000メートルにおいても、中国中央テレビの解説をしていた中国の元代表選手が、韓国選手の転倒を見て「一人で転倒した、仕方ない。何をどのように同情してあげたらいいのか分からない」と言ってうれしそうに手をたたいたそうである。

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 なお、この種目で中国は金メダルを獲得したが、準決勝では選手間のタッチがなかったのに失格とはならなかった。

 韓国は、中国における不公正判定や相手の失敗を喜ぶ解説など、スポーツマンシップに欠ける行為に激怒している。しかし、これを見て、韓国の反日家は日韓間の競技で、日本がヘマをし、韓国が優位となるのを喜ぶ姿を見せてきたことへの反省はどうなっているのであろうか。

 韓国は北京オリンピックでの経験を踏まえて、自分たちの日本への行動について、しっかりと反省してもらいたい。自らが日本に行っていることを、中国にやられてどう思うのか、思わないのか。韓国が精神的に成長する上で、今回の経験は非常に良い機会となることを期待したいものである。

(元駐韓国特命全権大使 武藤正敏)