米規制当局は、中国で開発された抗がん剤など新薬の承認を控える構えを示している。中国における研究の質や、試験結果が米国の患者に適用できるかどうかを懸念していることが背景にある。  イーライリリーやノバルティスなど米欧の医薬品メーカーは、中国で開発した医薬品を米国で販売することで巨額の売り上げを見込んでいたが、米当局の姿勢が変化していることで、こうした計画が進まなくなる可能性がある。そればかりか、米中間の新たな火種となりかねない。  イーライリリーは今年、中国で開発された肺がんの免疫療法薬について、既に市場に出回っている同種の薬よりも安い価格で売り出すことを計画していた。