レビュー
ケンブリッジ大学のとある研究によると、私たちは1日に最大で3万5千回もの選択をしているという。そのすべてを意識できているわけではない。それでも日々「なぜ、今日は本当はやりたかった方ではないものを選んだのだろう」「あんな言葉や態度、取りたくなかったのに」と振り返り、後悔することはよくあるだろう。それならまだしも、時には振り返ることさえ億劫になる。やってしまったことに蓋をして、結局、同じような選択を繰り返してしまうという経験はないだろうか。
ついついダメなほうを選んでは後悔するこのメカニズムを明らかにし、その対処法を教えてくれるのが本書『いつも「ダメなほうへいってしまう」クセを治す方法』だ。
著者は臨床経験9万件以上をこなしてきた大人気カウンセラーである。多くの悩みを聞く中で、たくさんの人が日常的に後悔を重ねていることに驚いたという。過去の自分も含めて、どうしてそれだけの人がベストな選択をできないのだろうと疑問に思い、研究を重ねてきた。
「人生ってこんなに楽だったんだ」。本当に自分が求めていることを選べるようになった人は、きっとそう感じるに違いない、と著者は書く。そうなれたら、起きた瞬間から目に見える景色が彩り鮮やかになりそうだ。