株式投資で資産を築き、入社4年目の26歳でFIREを果たした『投資をしながら自由に生きる』の著者が、最速で「お金と時間の自由」を得るための秘策を教える。これは一般的なFIREとは、まったく別の概念だ。FIRE達成者の多くは、ひと通り自由を味わうと暇を持て余して、結局は仕事をするようになりがち。そこで時間と場所に縛られない極めて自由度の高い仕事をしつつ、経済的自由を謳歌するたった1つの方法(投資×小さな起業)を伝授!
会社を辞めた途端にルールが変わる
【前回】からの続き
もう1つ知っておきたいのが、会社員としてのルールと、ビジネスオーナーとしてのルールは、まったく違うということです。これは野球とサッカーのルールくらい違います。
会社を辞めて自分でビジネスを立ち上げても、なかなかうまくいかないのは、野球のルールしか知らない状態でサッカーをやろうとしているからです。
ビジネスオーナーとして成功するためには、会社員時代のルールはいったん忘れて、新たにビジネスのルールを理解する必要があります。
会社員とビジネスオーナーの違いとは?
△ = 会社員
● = ビジネスオーナー
△ 最初からお客さんのいる状態で仕事ができる
● お客さんを探すところから仕事がはじまる
△ 会社の名前と信用で仕事がとれる
● 自分の名前と信用で仕事をとってくる必要がある
△ インフラが整っているため自分の仕事に専念できる
● すべての仕事を自分でやる必要がある
△ 与らえた役割をまっとうすることが仕事の定義
● お客さんに喜んでもらうことが仕事の定義
△ 失敗したときの損失は会社が補塡する
● 失敗したときの損失も自分で補塡する必要がある
まず会社員とビジネスオーナーでは、仕事のスタートラインが違います。
会社員はあたり前のように、「すでに仕事がある状態」で、目の前のお客さんに対応したり、仕事の課題に対処したりすることが、おもな仕事になります。しかし、会社を辞めてビジネスオーナーになると、最初はお客さんがどこにも存在しない状態からはじまります。
そのため、お金を払ってくれるお客さんを探すことが、最初にやるべき仕事になります。お客さんがいる状態で仕事をするのと、お客さんを見つけてくるところから仕事がはじまるのとでは雲泥の差があります。
また、会社員のときは会社の名前と信用力で仕事を得ていたのが、個人になったとたんに“信用力ほぼゼロ”の状態になります。
会社員時代に圧倒的な結果を出していて、個人の名前が有名になっているのであれば、会社を辞めたあとも信用力がキープされ、仕事の依頼がくるかもしれません。しかし、多くの場合、会社員時代の実績や信用力は、個人ではなく所属していた会社に紐づいています。
契約書の作成やチェック、決算や確定申告、入金確認や請求書の発行など、会社であればバックオフィスの経理や法務がやってくれていた仕事も、会社を辞めたあとはすべて自分自身でやる必要があります。
また、仕事そのものの定義も異なってきます。
会社員は与えられた役割の範囲で結果を出して「上司を喜ばせること」が仕事のようなところもありますが、会社員を辞めてビジネスオーナーになると「お客さんを喜ばせること」が最大の仕事になります。
そのため、あなた自身がお客さんにとって「この人にお金を払いたい」と思われる存在になる必要があります。
たとえば、会社員ならコミュニケーションが苦手でもプログラミングさえできれば、まわりのサポートがあって仕事が成立していたかもしれません。しかし、会社を辞めれば、コミュニケーションがとれない相手にお金を払って仕事をお願いしたいと思う人は少ないでしょう。
自分自身のコミュニケーション能力を高めるか、それが難しいならばコミュニケーション能力の高い人と組むといった工夫が必要になります。
また、会社員であれば、仕事で多少の損害を出しても会社がカバーしてくれますが、会社を辞めれば自己責任になります。そのかわり、成功したときのリターンは、すべて自分のものになるのです。