お金に不自由ない早期リタイアを指す「FIRE」という言葉がはやっている Photo:PIXTA

お金に不自由ない早期リタイアを指す「FIRE」という言葉がはやっている。サラリーマンでこのFIREを目指す人と、働き続けながら消費や自分への投資にお金を投じたいという人。両者の人生は全く別のものに思えるが、実はマネー戦略の3分の2は同じでいいのだ。その理由を解説するとともに、就職祝いも兼ねて、4月に新社会人になる読者向けにお金の扱い方7原則をお伝えしよう。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

お金に不自由ない早期リタイア
「FIRE」をどう考えるか

 日本の会社や役所は今週から新年度に入る。オフィスには新人さんがやってくる。「ご就職おめでとうございます」。今回は、就職祝いの趣旨で、彼らのために「お金」の戦略を考えてみたい。

 少しお金に敏感な向きは、近年「FIRE」という言葉がはやっていることをご存じだろう。「Financial Independence, Retire Early」を略したもので、早期に引退できるお金の独立性を確立することを指す。要は、働かなくてもいい財産を形成した状態のことだ。

 新人諸君は、FIREを目指すだろうか。もちろん、目指しても構わない。FIREの長所を挙げよう。

 何と言っても、組織(会社や官庁)、より正確には雇い主からの自由を獲得できることだ。不正、非効率、退屈などがつきまとう不本意な仕事を不本意な人間と一緒にしなくてもいい。この自由は大きい。

 FIREに達すると、生きていくために自分の労働力を雇い主たる資本家に売って、労働の成果物の何がしかを搾取される、マルクス的資本主義で語られる「弱い労働者」の立場を脱却できる。「FIREは、資本主義に対する一人でできる革命だ」と言ったら、やる気が出る人もいるのではないか。

 もっとも、そのためには後述のように、資本主義の仕組みを大いに利用することが実現の手段になる。

 本稿ではまず、FIREを目指す方法と、FIREを目指さないけれども人生を通じてお金のバランスを取る方法の2種類について「具体的な方法」をお伝えする。