ヴァイオリニストでテレビ朝日系『羽鳥慎一 モーニングショー』のコメンテーターとして活躍中の『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』著者・廣津留すみれさん。大分県で生まれ育ち、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま現役合格したハーバードをなんと首席で卒業。その後、進学したジュリアード音楽院も首席で卒業した。すみれさんが学び、実践してきた「考える力」を事例やエピソードとともに、わかりやすく紹介します。

【ハーバード&ジュリアード】私の「睡眠不足解消」最終結論とは?Photo: Adobe Stock

昼寝と週末の戦略的寝だめで
パフォーマンスを復活させよう

私の睡眠不足を解消するもう1つの工夫は、「週末の寝だめ」です。

大学時代は課外活動で多くの音楽団体に所属し、仲間たちとのコンサートやオペラプロダクションのためのリハーサルに明け暮れていました。忙しいときには平日夜10時すぎに仲間と会ってから、深夜までリハーサルを重ねる日もありました。

タフぞろいのハーバード生にとっても、さすがにハードすぎてオーバーヒートすることもしばしば。日曜はイベントや翌日の課題に備えるため、そんなに寝てはいられないので、せめて土曜は午前中だけでも絶対にオフにして、たっぷり眠るように心がけていました。

いまでもその習慣は続けています。

睡眠不足を軽視して放置していると、「睡眠負債」が蓄積するとされています。「睡眠負債」という言葉を使い始めたのは、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の初代所長ウィリアム・C・デメント博士です。

睡眠の貯蓄、いわゆる「寝だめ」はできませんが、週末のまとまった眠りで平日の睡眠負債を返すことは可能だと言われています。

平日は忙しくて睡眠不足を感じているビジネスパーソンは、土日のどちらかの午前中をフリーにして睡眠負債の返済に当ててみることをおすすめします。土日の寝だめで1週間ごとにリセットしてみるのです。

睡眠については、さまざまな説があります。科学論文を読み比べてみても、異なる結論が書かれている場合が多く、万人に当てはまる確かな結論が出ていない状態です。

そこで私は、睡眠に関する専門家の意見は、潔くすべて無視しています。ここは自分のカラダに聞くのがいちばんだと思い、何が自分にとって睡眠不足の解消になるかを考えた結果、昼寝と土曜の寝だめという解決策を導き出したのです。

平日の睡眠不足を自覚している人は、この科学的根拠を無視した「戦略的寝だめ」を試してみてもいいかもしれません。それで平日の眠気がとれて脳がクリアに働くようになったら、それはあなたにとっての“正解”なのですから。

睡眠の大切さを軽視していませんか?