コロナに新しい検査法の可能性、4分で結果判明・正確性はPCRと同等写真はイメージです Photo:123RF

 中国の研究グループが、マイクロエレクトロニクス(微細電子工学)を用いた新たな新型コロナウイルス検査法を開発したことを報告した。この検査法により鼻咽頭から採取した遺伝物質の解析を行ったところ、4分以内に結果が判明し、正確性はRT-PCR検査(以下、PCR検査)と同程度であったという。復旦大学(中国)のLiqian Wang氏らによるこの研究結果は、「Nature Biomedical Engineering」に2月7日掲載された。

 PCR検査は、新型コロナウイルス検出に関しては最も正確で、かつ感度の高い検査法と目されている。しかし、結果が判明するまでに通常は数時間かかるため、検査が需要に追いつくのが難しい。その一方で、ラテラルフローイムノアッセイ法という原理を用いた抗原検査は、その場で結果が判明するものの正確性が十分とはいえない。そのため、抗原検査のスピードとPCR検査の正確性を兼ね備えた新たな新型コロナウイルス検査法の開発が求められている。

 今回の研究で報告された検査法は、微小電気機械システム(MEMS)技術を用いたもので、生体液中の超低濃度のイオンや生体分子、タンパク質、核酸などを数分で検出できるという。Wang氏らはこの検査法を用いて、新型コロナウイルスに感染した33人と感染していない54人の鼻咽頭から採取した検体の分析を行った。また、PCR検査も行い、双方の結果を比較した。