フェイスブックは長らく、最も効果が期待できるデジタル広告の出稿先だった。だが、もはやそうではない。詰め合わせギフトを扱うギフテン・マーケットの経営者、マーサ・クルーガーさんはかつて、広告予算をメタ・プラットフォームズ傘下のフェイスブックとインスタグラムにすべてつぎ込んでいた。14ドルごとに新規顧客一人を獲得していたという。ところが、アップルが昨年、プライバシー対策としてiPhone(アイフォーン)上のアプリによるユーザー追跡を制限すると、新規顧客の獲得コストは10倍に膨れあがった。クルーガーさんは昨年10月、広告予算をすべてアルファベット傘下グーグルの検索広告へと切り替えた。足元では、売上高を電子商取引(eコマース)に頼る企業の多くが利益への影響を見直し、こぞって同じことを行っている。フェイスブックやインスタ向けの広告予算を大幅カットし、グーグルやアマゾン・ドット・コム、スナップなど別のプラットフォームに振り向けている。広告業界関係者やeコマース企業への取材で分かった。
フェイスブックに見切り、消える巨額の広告収入
「アップルが構図を根底から変えた」
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