マンデリン、コピ・ルアクといったコーヒーで知られるインドネシアは、実は世界的なコーヒー大国だ。さらに5~6年前からカフェブームが起きており、現地発のカフェチェーンが次々に誕生し、スタバ以上の出店数を誇る。中には東京・原宿に出店したり、東南アジア外食業で初のユニコーン企業になったりという注目カフェチェーンも。インドネシアのカフェブーム、その実力はいかほど?(中国・ASEAN専門ジャーナリスト 舛友雄大)
インドネシアのカフェチェーンが日本初上陸
流行の発信地、東京・原宿。2020年12月、この地にオープンしたのがインドネシアで3店舗を展開する「コピカリアン」だ。インドネシアのカフェチェーンが日本に進出するのはこれが初めてとなる。「コピ」はインドネシア語の「コーヒー」。「カリアン」とはサンスクリット語で「神の祝福を受けた」という意味で、インドネシア語の「kalian(あなたたち)」とのダブルミーニングとなっている。
店内のインテリアはジャカルタのショップと似た雰囲気を演出しており、落ち着いた空間が広がる。看板メニューの「アイスコピカリアン」(1杯650円)はソフトで甘い口当たり。日本ではまだ珍しいインドネシアのパームシュガーを使用している。
その他にも目を引くメニューがずらりと並ぶ。インドネシア発祥の伝統医薬品・ジャムウの派生商品、ジンジャーコーヒーブリュレ(ホットドリンク)を頼むと、薄緑色のパンダンシフォンケーキが付いてきた。パンダンリーフは、お菓子に香りを付けてきれいな緑色に仕上げる、インドネシアでは定番のハーブだ。また最近、ラインアップに加わったのが「テンペフライ」。テンペは大豆を発酵させたインドネシアの伝統食品で、トリュフやピーナッツのソースをオプションとして選べる。