企業がうまみのある非中核資産を売却するのは、株主に優しい計画だという評判がある。だが、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)がスポーツカー部門ポルシェの新規株式公開(IPO)を計画しているのは、投資家を喜ばせることが主な目的ではない。VWは22日、かねてうわさされていたポルシェAGのIPOについて、筆頭株主であるポルシェ・オートモービル・ホールディング(ポルシェSE)と協議を行ったことを認めた。ポルシェSEは、VWの支配株がほぼ全てを占める投資ファンドである。かつてはポルシェの自動車事業を所有していたが、悪評高い2008年のショートスクイーズ(踏み上げ)でVWが一時、時価総額で世界最大の企業となった後、直接的な支配権を失った。ポルシェSEはブランドを取り戻したい考えを明らかにしている。