米経済全体で労働者の賃上げ交渉力が高まり、それが持続する兆しが見えているが、中でもホワイトカラー層は大幅な報酬アップを勝ち取っている。ウォール街の銀行では、従業員の報酬が膨れ上がっている。消費者向け金融機関では、約10年ぶりの大幅な賃上げが実現している。法律事務所は、業界から逃げ出す「燃え尽き症候群」の働き手を引き留めようと、積極的に給料を引き上げている。アトランタ地区連銀の賃金追跡指標によると、1月の金融・情報・専門職の賃金上昇率は前年同月比で4.4%となり、全労働者の賃金上昇率である4%を上回った。また、1月の賃金の前月比伸び率は、高賃金の業種で最も大きかったことを米労働省のデータは示している。専門職・法人向けサービス分野(経営、法律、エンジニアリングなど)の賃金上昇率は、1月に前月比0.8%と、娯楽・ホスピタリティー分野の同0.1%を大きく上回った。