ロシアはいつか欧州のパートナーになれる――。30年越しのこの期待は、ロシアのウクライナ侵攻で最初に犠牲になったものの一つだ。ウラジーミル・プーチン露大統領が攻撃的な姿勢を強める中でも、欧州は長年にわたり、ロシアとの経済・外交関係の深化を目指してきた。だが、今回のウクライナ侵攻でこうした融和路線は終わりを迎えた。今後は停戦を求める外交努力とウクライナからの難民支援が強化されるとともに、ロシアに対する強力な制裁措置が発動される見通しだ。その先には、欧州大陸の次の時代を定義づけるであろう重要な問題が域内民主国家を待ち受けている。冷戦終結後の歴史を塗り替えたいと公然と言い放ち、武力でその意思を貫こうとするロシアに対して、今後どう対処していくかという問題だ。
「ロシアを友人に」--親ロ派と共に消えた欧州の夢
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