――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター *** ロシアによるウクライナ軍事侵攻拡大は、単に世界に影響をもたらすだけではすまない、まれに見る事態である。それは世界を一変させるものだ。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、主権国家に一層深く踏み込んで支配下に置くことで、冷戦終結後の欧州の安全保障構造を粉砕している。何がそれに代わるのか、誰にも分からない。 これまで3人の米大統領が続けて掲げた公約――他の国際問題を一掃し、中国との競争に集中する――に取り組む米国の能力は、またしてもそがれている。
