『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

大学4年間でどんな本を読むべきか? 大人にも役立つ納得の回答Photo: Adobe Stock

[質問]
 はじめまして。私は現在大学一年生です。在学中の目標は読書を通じ、リベラルアーツを身につけて「解のない問題」に柔軟に対応できる知識や思考力を身につけることです。ですが、興味のない分野の書籍になると、それを通じてどのような知見が得られるのかがわからないと読む気になれない現状です。そこで、読書猿さんのそのような時の対処方法や実際にこの分野を勉強して以前の自分とここが変わったなどの実体験を教えていただきたいです。どうぞよろしくお願いします。

「何が得られるか分かりきった本」を読む必要はない

[読書猿の回答]
 私が読むのはみな興味がある本なのでお答えに困りますが、どんな知見が得られるか分からない方がわくわくしませんか?

 逆に何が得られるか分かりきった書物はもはや読む必要がないと感じるのですが変でしょうか?

 幸いにして、大学は、知識を得るための場ではなく、新たな知識を生み出す場所です。積極的にこの場に関わる人々は、どの分野であっても皆、新たな知識を生み出すために、知識や思考力では歯が立たない「解のない問題」と格闘しています。

「何が得られるかわからない」という「解のない問題」に対しての、ご自身の対応があまりに硬直していることを感じてのご質問だと思いますが、大学という場に参加するという、得られた機会をどうか存分に活かしてください。

 その時は、読書は、そんなあなたを助けてくれると思います。