ひろゆきが語る「入社後に失望してしまった会社」での生存戦略ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「思ったのと違った」

 今の職場で働いていて、「もしかしたら合わないかも?」と感じることはないでしょうか。

 入社した後に、「思ったのと違った」と思うことはあるでしょう。いい会社だと思ったのに、中に入ると失望することも多いと思います。

 それについての対処法を述べておきましょう。

 まず、働き始めて1~2年目の場合。この段階では、まだ答えを出すのは早いかもしれません。ただ、人間の直感は実はそんなに間違っていないこともあります。

「なぜ、この職場は偉そうな人が多いんだろう?」
「若手が率直に意見を言える雰囲気がない」

 というように、「違和感」をそのまま感じ取れることができます。それが慣れてしまうと、違和感が見えなくなってしまうので、そのタイミングに感じたことはどんどんメモに残しておきましょう。ブラック企業かも、と思えることも、どんどんメモや日記に残します。

 その後、数年が経ってから、意見を言えるようになったときや会社と揉めたときに、そのメモが役に立つでしょう。

我慢すべきか、逃げるべきか

 次に、3年以上、働いている場合。それだけの年数を職場で過ごしてみて、それでも「合わないな」と思ってしまうのなら、別の職場にさっさと移る準備をすればいいと思います。

 特に、「バリバリ頑張る雰囲気」か、「ゆったりでも許される雰囲気」か、というポイントは重要です。これは、どちらが正しいわけではなく、個人の性格によって「価値観」が異なりますからね。長く働いていくにつれて、徐々に自分の「価値観」ができていきます。それと照らし合わせてみるフェーズだと思います。

 ただ、この判断が難しいのが、先ほどの働き始めて1~2年目の人です。というのも、これだけ情報が多く溢れている社会ですから、まだぜんぜんその仕事をやったことがないにもかかわらず、「向いてる」「向いてない」を判断してしまうことが起こってしまいます。

 入社して1ヵ月で、「価値観が合わない」と言い出すのは、早計だと思います。まだ判断が早すぎるというか、判断能力が機能しないうちに思い込みで決めてしまっている可能性が高いです。

 そういう判断をしてしまうと、スキルが積み上がっていきませんし、ある程度の我慢耐性が身につかないんですよね。もちろん、パワハラのようなことを何度も受けていたりするのなら話は別ですが、そうでないのなら、「少し様子を見る」という判断のほうが後から振り返るとトクをすることが多いでしょう。

 とにかく、どんな立場にいる人でも、「違和感をストックしておく」という対処法はベストだと思うので、それはやり続けておくようにしましょう。いつか、役に立つと思いますから。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。