ロシアがウクライナに侵攻して欧州でヒトラー以来最大の地上戦を始めると、米国の株価は急騰した。一体何が起きたのか。ウォール街がプーチン氏にひそかに好意を寄せているというわけではない。24日の市場の動きを詳しく見てみると、年初からの流れがほぼ完全にひっくり返ったことが分かる。米株市場は予想外の急反転を演じた。25日も株価は米国など各地で引き続き上昇し、ロシアの株価もルーブルベースの上昇率は5分の1に上った。しかしそうしたムードを決めたのは24日の動きで、ウクライナが侵攻された当日の動きはそれほど驚くべきものだった。年初から1カ月半の間に売られたテクノロジー株などのグロース銘柄は急反発し、年初から比較的堅調だった石油株や銀行株などの割安なバリュー銘柄は下落した。年初から24日までの下げと24日の反発の間には強い関連性があり、24日までの上昇と24日の反落にも強い関連性がある。そうしたことがなぜ起きたかははっきりしないが、筆者はいくつか仮説を立てた。