ロシアに対する制裁と通貨ルーブルの下落を受け、同国の銀行が預金引き出しや財務の急激な悪化に直面している。アナリストらが28日、こうした見方を明らかにした。キャピタル・エコノミクスは、ロシアの銀行は取り付けリスクが高まっており、預金引き出しに応じるため資産を不利な価格で売却せざるを得なくなる可能性があると指摘。同社の欧州新興国市場エコノミスト、リアム・ピーチ氏は、とりわけ外貨引き出しの需要に応えるのが難しくなるとの見方を示す。ピーチ氏の試算によると、ロシアが保有する外貨の手元現金は460億ドル(約5兆3100億円)、個人や企業から預かる短期外貨預金は2800億ドル。共産主義から移行したロシアは、たびたび銀行危機や取り付け騒ぎに見舞われている。