ウクライナにおける戦争が米連邦準備制度理事会(FRB)による3月の利上げを阻む可能性は低い。だがインフレ圧力がさらに増大すれば、FRB高官の一部がすでに示唆している以上に強力な金融引き締めを余儀なくされるかもしれない。FRB当局者は先週行った講演やインタビューで、3月15~16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ開始を支持する立場を示した。FRB当局者は、ウクライナ情勢が経済見通しにどう影響するのか判断するのは時期尚早としているものの、動向を注視する姿勢を示している。FRBにとって頭が痛いのは、40年ぶりの水準に跳ね上がっているインフレ率が1-3月期にピークに達すると予想していたことだ。地政学リスクによって、エネルギーなど資源価格を中心に物価が今春を通じて押し上げられれば、FRBは夏にも利上げペースの加速を余儀なくされるかもしれない。そうなれば、米経済が来年リセッション(景気後退)に陥るリスクが高まる。
FRBにウクライナ戦争の試練、インフレ圧力巡り
一段のインフレ高進なら、夏に利上げ加速も
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