ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ全面侵攻の決断を受けて、欧州の最も騒々しいポピュリスト(大衆迎合主義者)たちのプーチン氏称賛の声に陰りが見え始めている。反移民を掲げるイタリアの主要な極右政党「同盟」を率いるマッテオ・サルビーニ氏は、プーチン氏の顔が描かれたTシャツを着ていたことがある。4月の仏大統領選挙に出馬予定の極右候補エリック・ゼムール氏はかつて、プーチン氏のような人物がフランスを救ってくれることを夢見ていると語った。フランスの極右政党、国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン党首は、プーチン氏に会うためクレムリン(ロシア大統領府)を訪問した。欧州のポピュリストはプーチン氏の中に、自らに近い感覚の人物、国際協力のルールをあえて無視するリーダーの姿を見ていた。その国際ルールは、第2次世界大戦後に生じ、北大西洋条約機構(NATO)の軍事力に支えられている。ポピュリストはプーチン氏の臆面がないナショナリズムや、米国への根深い不信感を称賛してきた。
プーチン氏と距離置き始めた欧州のポピュリスト
かつては親近感を抱いていたが、ウクライナ侵攻で変化
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