ロシアが1バレル=100ドル程度での原油輸出を続けることができる限り、同国経済が完全に崩壊する事態は想定しづらい。米国、英国、カナダの3カ国と欧州連合(EU)は週末、ロシア中央銀行による外貨準備の利用を制限するという異例の発表を行い、ロシアのルーブル防衛能力を低下させた。これを受けて、ルーブルは2月28日に急落した。米欧はロシアの一部銀行を国際決済網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除する方針も示した。ロシアは2014年にウクライナ南部のクリミアに侵攻して以降、外国への依存度を抑えようとしてきた。輸入品の一部を国産品に置き換えたり、ロシア中銀が外貨準備を積み上げたりした。また、外国銀行との連携を縮小し、ロシア版SWIFTを開発した。