ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の対ウクライナ戦争はまだクライマックスに達していないが、既に世界の政治基盤を揺さぶっている。過去72時間で、ドイツの政治が変容し、それに伴って欧州の政治も変容した。独政府は、これまで何十年にもわたってウクライナの独立を守る姿勢を見せていなかったが、現在は公然とウクライナに武器を供与している。プーチン氏は、自身の経歴における最大の危機に直面している。過熱状態にあった世界経済に戦争によるインフレ圧力が加わる中で、中東の産油国は、米バイデン政権に対する有利な立場を取り戻しつつある。中国政府は、プーチン氏が始めた戦争が習近平国家主席に与える教訓について熟慮しており、そうした状況下でさえ日本では、有力者らが核戦力について公然と議論している。騒々しかった米国内のプーチン支持の合唱は、一気に鳴りをひそめた。
【オピニオン】バイデン政権に政策転換を迫るウクライナ危機
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