米国は、低炭素社会のエネルギー覇権争いで世界のライバルに大きく後れを取っている。その差を埋める上で期待を寄せているのが、アイオン・ストレージ・システムズなどの次世代バッテリー会社だ。同社は57万4275ドル(約6600万円)の連邦補助金を受けて、メリーランド大学の化学研究室からスタートした。米首都ワシントン郊外に新工場を持つアイオン・ストレージは、より高速に充電でき、長持ちする新種のバッテリーを米国でいち早く生産する企業の一つになる。また、車載バッテリーには長年、発火の問題がつきまとってきたが、同社の製品は発火しにくいという利点がある。米政府や民間投資家は、バッテリー製造で圧倒する中国や日本、韓国の企業に追いつくことを目指し、バッテリーのスタートアップ企業に資金を投入している。より優れた技術でライバルを追い越すことが目標だ。