制裁措置の効果は、特にロシアのような大国が相手では限られるというのが、1週間前までの一般的見方だった。しかし、そうした通念は見直す必要があるかもしれない。ロシアのウクライナ侵攻を受けた対ロ制裁は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が想定した以上の打撃を与えそうだ。ロシアの商業銀行、中央銀行、企業、政治指導者、産業を標的とした今回の西側諸国の制裁は、イランや北朝鮮などの小さなならず者国家に対して行うのにも数年かかったような経済的処罰をロシアに科している。米バイデン政権のある当局者は先月27日、制裁の最終目標を明確にした。それは、ロシアを「世界の経済・金融からのけ者にする」ことだ。だが、全面的な経済戦争は実際の戦争と同様に、米国と同盟諸国が目にしたことがないような波及効果をもたらす。こうした制裁がプーチン氏の姿勢の変化につながるかどうかは全く分からず、西側諸国に深刻な打撃を与える恐れもある。