ジョー・バイデン米大統領はオラフ・ショルツ氏とは違う。ドイツの新首相となった同氏は今週、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに侵攻したのを受け、何十年も続いたドイツの中道左派の防衛・エネルギー政策をひっくり返した。バイデン氏も1日の一般教書演説で同様のチャンスに恵まれた。だが、その好機をふいにした。バイデン氏は就任1年目と同じ政策路線にとどまった。ただ、一連の新たなインフレ対策によって体裁良く見せていた。独裁者たちの脅威に対抗するため、国防費を増額するのか? ノー。化石燃料が米欧の安全保障に貢献している点について評価を新たにしたか? 一言もない。政府支出が40年ぶりの高インフレを引き起こしたという認識は? どこにもなかった。新型コロナウイルスの治療法やワクチンを開発した民間製薬会社の技術革新をたたえる言葉は? バイデン氏はその代わりに薬価規制案を提示した。
【社説】バイデン氏の残念な一般教書演説
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