ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が西へ目を向ければ、自身の残忍なウクライナ侵攻に反対する意外なほど固い結束が目に入る。米国とその同盟国は経済制裁の鉄ついを下し、普段は寡黙なドイツもウクライナに武器を送っている。中立国のスイスでさえ、対ロ制裁を後押ししている。それは、ジョー・バイデン米大統領が1日の一般教書演説で次のように宣言した際、思い描いていた姿である。「プーチンはかつてないほど、世界から孤立している」だが、クレムリンにある新型コロナウイルス感染対策の長い接客用テーブルで、プーチン氏が別の方向――東と南――を見れば、まったく違うものが目に入る。世界で人口トップ2位を占める中国とインドは、落ち着かない様子だが、ロシアの孤立を狙う西側諸国とはまだ協調していない。中印はロシアにとって重要な生命線となる可能性がある。プーチン大統領とロシア経済にとって、中印がどのような姿勢をとるかは、ますます重要な問題となりつつある。