世界の主要国で唯一、最後まで新型コロナウイルスに対する「ゼロ寛容」政策を死守してきた中国が、ここにきて本格的な規制緩和の検討に入った。その準備として、北京冬季五輪で使われた措置をモデルにした「トラベルバブル」の活用が上がっているほか、新型の抗ウイルス薬に関するデータの収集が進められている。将来的な中国製メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの生産開始に向けて、海外の製造拠点の確保にも動いている。内情に詳しい関係筋が明らかにした。来春まで緩和される可能性は低いが、夏にも複数の選定都市で実験的な緩和が始まるかもしれないという。中国の公衆衛生当局者は最近になって、過去2年に徹底して講じてきたウイルスの封じ込めから「共生」へと市民を備えさせるため、取り組みの一部を公の場で語っている。