ウクライナへの武器供与、空前の大規模作戦にPhoto:Sean Gallup/gettyimages

【ジェシュフ(ポーランド)】ロシアによるウクライナ軍事侵攻を受け、ここ2週間に史上最大級の武器輸送が未曽有のスピードで決行された。

 チェコ共和国からは先週だけで、鉄路と陸路で1万基の携行式ロケット弾(RPG)がウクライナに送られた。ウクライナ国境から約97キロに位置するポーランドのジェシュフ空港では5日、軍用輸送機であまりに混雑していたため、空きスペースが出るまで一時的に迂回(うかい)を余儀なくされる便も出た。

 ハイウエー上では、軍用輸送トラックを護衛する警察車両の列が国境まで絶え間なく続いた。

 ウクライナへの武器輸送は、ほぼ前例のない供給作戦となりつつある。現地への地上部隊の派遣は排除している西側諸国は、規模でロシアに圧倒的に劣るウクライナの武装強化を急いでいる。

 ロシアの軍艦が黒海沿岸を支配し、ウクライナ領空では両軍の衝突が続いていることから、米国はロシアが陸路も制圧する前に急いで兵器をウクライナにトラック輸送している。国防総省の高官によると、バイデン政権が先月下旬に表明した3億5000万ドル(約404億円)相当の武器・軍事支援はほぼ輸送が完了した。米議会はさらなる支援の承認を検討中だ。