ウクライナ侵攻の日本企業への影響、1437社の調査結果を帝国データバンクが解説Photo:PIXTA

ロシアによるウクライナ軍事侵攻により、日本の企業はどのような影響を受けているのか。帝国データバンクが行なった1437社への調査を基に、地域別、業種別での状況について解説する。(帝国データバンク情報部 昌木裕司)

ウクライナ軍事侵攻により
約6割の企業にマイナスの影響

 2022年2月24日、ロシアは隣国ウクライナへの軍事侵攻を開始した。日米欧など西側主要諸国は、「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からロシアの銀行の排除を決定、米クレジットカード大手がロシアでの決済業務を停止するなど、ロシアへの強力な金融制裁が相次いで打ち出されている。さらに、EU各国の税関はロシア向け貨物の港湾使用を停止、その結果ロシア向けの物流が停滞するなど、物流面でも世界経済からロシアの締め出しが進行している。

 その影響は日本経済にも及ぶ。両国に進出する企業や現地企業と取引量の大きい企業だけでなく、原材料価格の上昇を通じて間接的に広く企業活動に影響が及ぶ可能性がある。この状況を日本の経営者はどのように見ているのだろうか。ウクライナ軍事侵攻による企業への影響について、帝国データバンクでは軍事侵攻開始直後の2月25日~28日の4日間にわたってインターネットによる企業アンケートを実施した。

 アンケートでは、ウクライナ情勢全般に対する自社への影響について質問、その結果が、下のグラフである。

 マイナスの影響があると認識している企業が61.0%と約6割に上ることが分かった。内訳を見ると、「ややマイナスの影響がある」が24.3%、「マイナスの影響がある」36.7%となった。軍事侵攻開始直後の調査のため、まだ影響度について測りかねている企業も一定数見られ、企業の約2割は「分からない」と回答した。