シリコンバレーが全米に拡散し、「シリコンUSA」に変わりつつある。数百万人の米国人が国内で移住し、IT(情報技術)業界を中心とする企業がその動きに追随している。こうした反応の繰り返しは、米国の経済的地理を一変させる可能性がある。企業や投資の移転は、これまで通常、人材争奪戦に敗れていた場所に労働者を引きつけている。これは、ここ10年にわたる潮流の逆転だ。このトレンドは、米国内の繁栄の地理的分布や所得格差、さらには政治やイノベーション(技術革新)、米国人全般の競争力に大きな影響を与える可能性がある。これまで米国の最も生産性の高い労働者や企業はシリコンバレーのような一握りの都市に集中する傾向があり、こうした数十年来のトレンドが米国のいわゆる「スーパースター都市」の成功を後押ししてきた。それが、コロナ下の2年間という、経済では一瞬に相当する期間で変わり始めている。
IT職のシリコンバレー離れ、コロナで確実に加速
シリコンバレーが全米に拡散し「シリコンUSA」に
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