サウジアラビアは中国への石油販売の一部を人民元建てにする案を巡り、中国政府と交渉中だ。複数の関係者が明らかにした。実現すれば、国際石油市場でのドルの支配的地位が損なわれる可能性がある。交渉は6年前から断続的に続いているが、今年に入り弾みがついた。サウジが米国との安全保障上の取り決めに不満を募らせていることが背景にある。サウジはイエメン内戦への介入を米国が支持しなかったことや、バイデン政権がイランとの核合意の再建を図っていることに不快感を示している。サウジ当局者は、米軍が昨年アフガニスタンから性急に撤退したことに衝撃を受けたとしている。中国はサウジの石油輸出の25%超を占めている。元建て石油販売が実現すれば、元の地位は強まる見通しだ。