「年収141万円」の飲食サービスは“極貧産業”なのか?日本の賃金統計のカラクリ飲食サービス業ではパートタイム労働者が多く、その賃金が低いから、平均賃金が低くなるのだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

飲食サービス業の年収は
141万円でしかない!

 毎月勤労統計調査は、賃金に関する基本的なデータを提供する統計だ。

 2021年確報によると、21年の現金給与総額は全産業計で年収383万円だ。これもずいぶん低い値だと感じるが、業種によっては驚くほど低いところもある。

 例えば、「飲食サービス業等」の年収は141万円でしかない。一見したところ、極貧としか言いようがない状態だ。なぜこんなに低いのか? 本当にこんなに低いのだろうか?

 実は、日本の賃金統計にある平均賃金の値は、実感に比べてかなり低いのだ。

 パートタイムの労働者の比率が高いからで、これを調整する計算を行なってみると、統計にあるのとはかなり違う姿が現れる。