「大破した橋を明後日の朝4時までに復旧させよ」女性自衛官が米陸軍工兵学校で叩き込まれた無茶ブリ解決能力写真はイメージです Photo:PIXTA

世界各国から選ばれた精鋭たちが集う米陸軍工兵学校に日本人女性として初めて派遣された筆者は、困難な課題をどのように乗り越えてきたのか。学校や職場でも応用できる、問題解決力の養い方とは?※本稿は、元・陸上自衛隊幹部の有薗光代『セルフスターター 自分で自分を動かすスキル 米陸軍工兵学校で学んだ仕事と人生で大切なこと』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

道なき道を切り拓く
工兵は「戦うエンジニア」

「言葉でなく行動で、強さを築く(Build Strong)」

 この言葉に、米陸軍工兵の哲学がすべて詰まっています。

 工兵は、「戦うエンジニア」。戦場で橋を架け、地雷を除去し、仲間が前進する道を切り拓く──そんなプロフェッショナル集団です。

 その任務は戦場にとどまらず、災害復旧、公共インフラの整備、環境保全といった国家事業にも及びます。アメリカ社会の骨幹と言える場所には、常に彼らの技術と汗が刻まれてきました。

 国防総省(通称:ペンタゴン、五角形の巨大庁舎)を、わずか16カ月で完成させたのも工兵。その精神と技術は、アメリカの国会議事堂やリンカーン記念堂、NASAの有人衛星計画にまで受け継がれています。

 工兵の真価が最も発揮されるのは、「道がない」と誰もが立ち尽くす瞬間です。敵の攻撃で道路が寸断され、部隊が立ち往生する戦場。洪水やハリケーンで町が破壊され、住民が孤立した現場。そんな絶望的な現場に、工兵は現れます。