米国債の長短金利差が急ピッチで縮小している。リセッション(景気後退)が差し迫っている予兆として警戒する声が高まる一方で、それに懐疑的な見方もくすぶっている。
米国債利回りは、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見通しを背景に上昇基調にある。21日には、ジェローム・パウエルFRB議長がインフレ抑制に必要だと判断すれば、0.50ポイントの大幅利上げに踏み切る用意があると明言したことで、さらに押し上げられた。
長短金利が逆転する「逆イールド」が起こるのはまれで、景気減速を受けてFRBが利下げを迫られるとの見方を反映している。ここ数十年では、逆イールドが起こると、その後ほぼ確実に景気後退に突入したことから、ウォール街では鬼門とされる現象だ。