【ブリュッセル】ウクライナ軍は寄せ集めの兵器を活用した反乱軍的な戦術で、より大規模で装備の整ったロシア軍に大きな損害を与え、複数の前線で敵の進軍を遅らせている。北大西洋条約機構(NATO)諸国の軍当局者らはこう指摘する。
戦況を分析する西側関係者らによると、ウクライナ軍の部隊は待ち伏せによる奇襲と散兵戦を展開し、ロシア軍の弱点を突くことを目指している。地元の戦場に関する知識を活用して幹線道路で機甲部隊を攻撃したり、補給を阻害して敵の戦闘能力を低下させたりしている。
ただ、こうした手法は、大軍を相手に猛反撃に出る場合よりも、敵の補給線が伸びきった場所で打撃を与える場合に適しているという。このため、ロシア軍が占拠しているウクライナ南部と東部で、ウクライナ側が失地を回復する能力に関しては疑問が生じている。